BLOG

ドキュメンタリー映画「被ばく牛と生きる」を見て(関澤)

2019/06/04

ドキュメンタリー映画「被ばく牛と生きる」を見て

2011年、福島第一原発事故から1ヶ月後、国は20㎞圏内を警戒区域に指定し、この地域に住んでいた人々を強制避難させ、立ち入りを厳しく制限しました。
震災発生当時約3500頭いた牛は、牛舎につながれたまま残され約1400頭が餓死しました。
翌5月、農水省は放射能汚染された食肉を流通させないため、20㎞圏内にいる全ての家畜の殺処分を福島県に通達し、生き残った牛の大半が薬殺されました。
しかし「大切に育ててきた牛の命を人間の理屈だけで奪うことはできない」という思いから、
国が決定した殺処分の方針に納得できず、膨大な餌代を自己負担しながら牛と共に生き続けようと決意した畜産農家の方々がいらっしゃいます。

 

この映画は、そんな畜産農家の方々のドキュメンタリー映画でした。

 

現在、来年の東京オリンピック開催に向け、様々な取り組みが行われています。福島の復興は順調に行われていることも、世界に向けてのアピールのひとつとして、除染が行われ、避難区域の解除も行われています。
しかし、今後更に除染が進もうとも、一旦汚染された豊かな大地は放射能の線量は下がることはあっても、決して元には戻らないのです。
原発事故は、福島の人々から生まれた大切な故郷を奪い、そして、畜産農家からは大切に育ててきた牛の命を奪い、牛をこれからも丹精込めて育てていきたいという希望をも奪ってしまったのです。
また原発事故から丸8年が経過しましたが、日本での原発事故に関しての意識は風化してきていると思います。
劇中、畜産農家が東京の新宿・渋谷で福島の現状を知ってほしく、演説をしていますが誰も足を止めて聞こうとしていませんでした。
原発事故が起こった当初は、あれだけ日本全国が節電を心掛け、原発再稼働に反対していたにもかかわらず、自分に直接関係のないことは、気にも留めなくなってしまっています。
ちょうど今、2年生の社会の授業で発電のことを教えています。
生徒たちには、この映画を観た自分の思いをしっかり伝え、原発について少しでも考えてもらえればと思います。

(関澤)